金沢医療センター
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  生化学反応研究室

【生化学反応室】
生化学反応室では、がん(外科系)、感覚器疾患、外科学、泌尿器科学、歯科口腔外科学および病理学等を研究領域として活動しています。

1.がん(外科系)

(1) 胃癌腹膜播種性転移機構の解明(臨床検査科)
胃癌の腹膜播種は最も予後不良の経過をとる難治性の病態です。腹膜播種に関わる因子には種々のものが知られていますが、それらがどの様に関連し転移が成立しているのか、まだ十分には解明されていません。これまでにケモカイン受容体CXCR4を分泌する胃癌では腹膜播種が高率に起こることを見いだしました。CXCR4と特異的に結合するCXCL12(別名SDF1a)は腹膜中皮細胞によって産生・分泌され、CXCR4を発現している腹水中の癌細胞が引き寄せられて腹膜に接着し、播種性転移が成立すると考えられます。CXCR4/CXCL12を介する転移機構は、実際はその他の多くの因子、たとえばheparin binding-EGF, TGF-β, VEGFなどの増殖因子と密接な関わりも予想され、これらの複合的な因果関係について、現在さらに研究を進めています。

(2) 肺癌術中凍結診断によるリンパ節転移の迅速評価(呼吸器外科、臨床検査科)
抗サイトケラチン抗体AE1/AE3による免疫染色法を用いた微小転移検出に関しては従来よりその妥当性が多く報告されています。私たちは、政策医療ネットワーク研究として、他施設と共同して免疫染色法を用いた術中迅速診断の有用性を検討しています。

(3) 乳癌に対する個別化化学療法(外科)
進行・再発癌に対する化学療法は、“QOL”と“生存期間の延長”をバランス良く保ちながら行う必要があります。近年、様々な分子標的治療薬が開発され、一般の臨床でも使用されるようになってきました。ただし、効果が期待できる症例は治療薬に応じて限定され、対象となる症例の選別は厳密行われています。この個別化(tailor-made)治療は抗悪性腫瘍薬にも応用され、これまでに5-FU系薬剤のうち5’-DFURとカペシタビンに対して、薬剤のメカニズムに沿った効果予測因子の検討が行われています。我々がこれまでに行った進行・再発乳癌に対する低用量カペシタビン療法は、副作用の軽減を図るとともに高い抗腫瘍効果が認められ、さらに、原発乳癌におけるthymidine phosphorylase (TP)とdihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)の発現と抗腫瘍効果との関連を調べたところ、TP高発現乳癌では低用量カペシタビンでも高い抗腫瘍効果があることが確認されました。TPの発現量が、低用量カペシタビン療法の治療効果予測因子として重要である可能性が示され、今後のtailor-made 化学療法の確立に向けてさらに検討を進めています。

(4) 頭頸部癌治療(耳鼻科)
治療は日本がん治療認定機構暫定教育医が担当します。頭頸部癌に対してタキソテール、シスプラチン、5-FUなど最新の化学療法による治療を行っています。放射線治療をはじめ選択的動注化学療法や、遊離皮膚弁を用いた再建を含む拡大手術を症例に応じて行っています。

(5) 口腔領域癌浸潤の抑制(歯科口腔外科)
がんの悪性化には様々な遺伝子の過剰発現が関与し、それら遺伝子の一部はがん補助療法の標的になりうることが報告されています。私たちは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(uPA)システムが口腔癌の浸潤・転移に深く関与していることを見いだし、そのシステムががん補助療法の標的になる可能性を明らかにしてきました。これまで、uPA受容体(uPAR)に対するアンチセンスDNA、siRNA、生理活性物質等により、口腔癌の浸潤が抑制されることを示してきました。現在、口腔癌に対するuPAシステム制御物質の臨床応用に向け研究しています。

2.感覚器疾患(耳鼻咽喉科)

(1) 新生児聴覚スクリーニング
当院は石川県の精査機関に指定されています。言語聴覚士による、BOA、CORなど行動反応をみながら行う聴力検査の他、ABR (聴性脳幹反応)、ASSR (聴性定常反応)を行っています。ASSRは石川県内では初めて本年1月から稼働しています。ABRでは分からなかった周波数別の聴力検査が可能で、補聴器装用などの評価が迅速かつ他覚的に行えます。

(2) 突発性難聴
プレドニン大量療法とプロスタグランディンE1の併用療法により、良い成績を挙げています。

(3) めまいの診断治療
医療機関からの紹介には、温度刺激検査など庭機能の定量的な評価を行い、報告書を発行しています。メニエール病の検査、漢方を含めた治療、重症例には入院にてステロイド治療を行い、難治性にはゲンタシン鼓室内投与法などを行っています。良性発作性頭位めまい症に対して、Epley法、Lempert法、Brandt-Daroff法などの理学療法を積極的に行っています。

(4) 補聴器適合
従来のアナログ補聴器の特性測定に加え、数社のデジタル補聴器の調整が可能です。

(5) 嚥下障害
嚥下時内視鏡、透視検査を積極的に行い、言語聴覚士による理学療法を行っています。延髄梗塞による嚥下障害の手術治療にも石川県内で初めて成功しました。

3.泌尿器科学

(1) QOLを重視した尿路、排尿管理(泌尿器科)
泌尿器科では前立腺癌に対する小線源埋め込み療法など、新しく高度な医療を取り入れています。尿路、子宮癌、直腸などの癌は、癌そのものあるいは治療によって尿路になんらかの影響を与えうることが知られています。当科では癌治療のみならず、適切な尿路管理が行われるよう努めています。尿路に生じたQOL障害に対して、国際標準に準じて評価、治療を行っています。女性の術後骨盤底弛緩に伴う各種QOL障害には外科的矯正を主体とした治療を、過活動膀胱や神経因性膀胱へは薬物療法や行動療法、neuromodulation などを取り入れています。このような治療は国際基準に基づいた自覚症状評価や尿流動態検査の上、決定付けられています。以上の診療は臨床的研究という位置付けのもと、国内外で学会報告が行われ、評価を受けています。