■アレルゲンの検査
アレルギーって何?- 特異IgE抗体検査について-
アレルギー(allergen)という言葉はギリシャ語のアロス(allos)とエルゴン(ergon)を一緒にした言葉でアロスは“変わった”、エルゴンは“作用”という意味です。すなわち、“変わった作用”または“変わった反応”という意味です。
アレルギーは何かが身体に入ってきたとき、それに対して起きる過敏な反応で、普通の人なら何事も起きないのに、特定の人にだけ発生するからだにとって有害なものです。アレルギー体質の人は、本来、身体に害のあるものに働く免疫機能が、身体に害のない一般的なものにも反応してしまいます。そしてそのアレルギーを起こす原因となるものを抗原(アレルゲン)といい、その抗原に対する抗体を調べる事でその人のアレルギーの原因を知る事ができます。
アレルゲンには呼吸によるもの(花粉、塵、ダニ、カビなど)、食事によるものがあり、当院では以下の36種類のアレルゲンについて特異IgE抗体の測定を行っています。
イネ科植物花粉 |
カモガヤ、オオアワガエリ |
真菌 |
アスペルギルス、カンジダ 、アルテルナリア、ピティロスポリウム |
昆虫 |
ユスリカ(成虫) |
ダニ |
ヤケヒョウダニ、コナヒョウダニ |
食物 |
卵白、ミルク、小麦、米、ごま、そば、ピーナッツ、大豆、イワシ、カゼイン、オボムコイド |
寄生虫 |
アニサキス |
雑草花粉 |
ブタクサ、ヨモギ |
動物 |
ネコ皮屑、イヌ皮屑 |
室内塵 |
ハウスダスト1、ハウスダスト2 |
その他 |
ゼラチン |
樹木花粉 |
スギ、ヒノキ |
職業性 |
ラテックス |
マルチアレルゲン
雑草 |
ブタクサ、ヨモギ、フランスギク、タンポポ、アキノキリンソウ の5種 |
カビ |
ペニシリウム、グランドスポリウム、アスペルギルス、カンジダ、アルテルナリア、ヘルミントスポリウム の6種 |
動物上皮 |
イヌ、ネコ、モルモット、ラット、マウス の5種 |
穀物 |
小麦、トウモロコシ、米、ゴマ、ソバ の5種 |
イネ科 |
ハルガヤ、ギョウバシバ、カモガヤ、オオアワガエリ、アシ の5種 |
測定はキャップ法により行っています。原理はFEIA(フルオロエンザイムイムノアッセイ)法で、セルローススポンジ固相を用いる方法により高感度に血中の微量な特異IgE抗体を測定することができます。
判定 |
クラス |
UA/ml |
陽性 |
6 |
100以上 |
5 |
50以上 |
4 |
17.5 以上 |
3 |
3.5 以上 |
2 |
0.7 以上 |
疑陽性 |
1 |
0.35 以上 |
陰性 |
0 |
|
自分のアレルゲンが判れば、そのアレルゲンを身体から遠ざけることがアレルギー治療の基本です。