金沢医療センター
ホーム サイトマップ 個人情報保護方針 リンク
病院のご案内 患者様向け情報 診療科・部門 医療関係者向け情報
TOP > 診療科・部門 > 臨床検査科 > 一般検査
臨床検査科
臨床検査科
臨床検査科の紹介
血液検査
生化学検査
免疫血清検査
一般検査
病理検査
細菌検査
生理機能検査
輸血検査
  一般検査

■ 尿検査と便潜血検査について

1.尿検査の流れ
尿には様々な化学成分や細胞成分が存在しており,病気の診断に非常に重要な情報を提供してくれます.一般検査は泌尿器外来の前に位置し、外来のトイレから直接尿コップを検査の窓口に出せるようになっています。

データはコンピューターで管理しており、受付をしてバーコードラベルを検体に貼り、全自動尿定性分析装置(写真左)で測定されます。その後尿沈査の検査がある検体は、全自動尿中有形成分分析装置(写真右)で測定し異常のある尿検体のみ遠心し、その尿中有形成分を顕微鏡で鏡検し、時系列で前回値を確認して電子カルテにデータを転送しています。

当院の尿検査は1日に約160名の検体を処理していますが、このシステムの導入で15分以内には臨床に報告できるようになり、待ち時間の短縮が図られました。

2.便潜血検査について
便潜血検査は、消化管の腫瘍・潰瘍・炎症そして赤痢・チフスなどの感染症を原因とする消化管出血のスクリーニング検査として利用され、これらの疾患の診断治療上重要な検査項目です。
A. 化学法
血色素の持つペルオキシダーゼ様作用によって、過酸化水素から活性酸素が発生し、試薬のオルトトリジンやグアヤックを酸化し、淡青緑色から濃青色に発色します。この発色から潜血の有無を判定します。
【注意点】
・排便後、長時間放置した糞便では陰性になることがあるので、なるべく排便直後の便がよいです。
・便は当院で渡した容器に入れて下さい。(別の容器で中に不純物が入っていると偽陰性や偽陽性の原因になります)

・歯出血・鼻出血・痔出血及び月経血等の混入の有無にも注意が必要です。
・還元物質(ビタミンCなど)の存在により、偽陰性になることがあります。
・採便時にトイレの洗浄剤が混入すると、陽性となることがありますので洗浄剤が混入しないように注意して下さい。
・より正確な結果を得るためには、潜血反応の検査をする3日位前から動物性食品(生または半焼き)及び生野菜の摂取を控えるのが望まれます。

【検査法】
当検査科では、オルトトリジン法とグアヤック法の両方を同時に検査できる簡易検査法を採用しています。このキットの感度はオルトトリジン法が5.0μg/ml、グアヤック法が25.0μg/mlで発色するように調整してあり、潜血の強弱が判定できます。

【判定】
便を専用濾紙に塗った後、発色試薬を加え30秒後に発色の有無で判定しています。

B.免疫学的方法
糞便中のヘモグロビンと抗ヒトヘモグロビン抗体の抗原抗体反応を利用した方法で、化学法に比べ感度、特異性に優れ食事制限(動物ヘモグロビンとは反応しない)も不要とされています。
【注意点】
ヘモグロビンが腸内細菌により変性を受けその抗原性を低下させることや、体液蛋白成分の抗原抗体反応阻止により偽陰性になる可能性があります。
【検査法】
当院ではヒトヘモグロビンと、偽陰性を少なくさせる為に血液成分であるトランスフェリンを同時に検出できる免疫クロマト法を採用しています。
【判定】
糞便を採便棒で数ヶ所から採取し、便懸濁液を作ります。15分放置後テストプレートに懸濁液を滴下し20分後に判定しています。
検査の所要時間は操作も入れ40分かかりますが、偽陰性を少しでも無くす為の検査法を採用していますのでご理解をお願い致します。