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■病理検査とは?
1.病理組織検査
現代医学(西洋医学)においては病気は細胞単位でおこるとされています。細胞組織を顕微鏡で見ることにより病気の診断がなされるのです。しかし、ほんの少しであっても体の一部を採取する行為は医師にとっても、患者様にとっても苦痛を伴う大変なことです。そのため、まずは苦痛の少ない画像検査や血液検査を行い、その結果により診断治療がなされています。このような間接的な検査法で診断がつかない場合、病変の一部をほんの少し採取することになります(胃生検、肝生検など)。あるいは治療を兼ねて、手術により病変組織を摘出することもあります。病理組織検査では、このようにして採取されたあらゆる人体臓器に対し、最終確定診断をつける検査です。


▲手術で摘出された大腸癌
採取された臓器は多くの工程を経て、病理組織標本とされます。この標本を病理医が顕微鏡で観察し病理診断を行います。病理診断は医師のみが行うことのできる医行為です。実際には、高度な専門知識をもつ専門医機構認定の病理専門医が病理診断を行っています。科学が進歩し、CT等の画像装置やDNA診断等、医療技術は日々進歩していますが、確定診断は今もって、病理組織診断という100年以上前からほとんど変わらない手法で行われているのです。しかし、病気の分類とその組織標本による顕微鏡像の読み方は格段に進歩しています。


▲顕微鏡でみた大腸癌組織(高分化型腺癌. HE染色)

2.細胞診検査 細胞診検査の主な目的は悪性細胞、いわゆるガン細胞を見つけることです。検体としては尿、腹水、喀痰、膣スメアなど患者様にとってほとんど苦痛なく採取できるものや、乳腺穿刺吸引細胞診など病変に針を刺して細胞を採取してくるものなどがあります。細胞診標本作製工程は病理組織標本ほど、手間のかかるものではありません。しかし、これもまた半世紀以上前に開発された染色法(パパニコロウ染色)が用いられています。細胞診標本を観察するのは、臨床検査技師のなかでも、高度な専門知識をもつ日本臨床細胞学会認定の細胞検査士という専門資格をもつ技師です。細胞診標本は先ず、細胞検査士によって鏡検され、悪性細胞の有無が調べられます。もし悪性細胞の存在が確認されれば診断行為が発生するため、病理医(細胞診専門医)により最終確認が行われた後、報告されます。


▲ 腹水中に出現する癌細胞(腺癌.パパニコロウ染色)

3.病理解剖 多くの人体解剖による礎があり、医学は発展してきたといっても過言ではありません。不幸にも患者様が亡くなられた場合、主治医には、果たしてその死因はなんだったのか? 生前の診断は正しかったのか? 生前に行った治療の効果はどうだったのか? 治療法に問題はなかったのか?等の疑問が生じてくるのは当然のことです。画像検査や血液検査で得られる情報は限られています。病理解剖はこれらの疑問に答える唯一の手段であり、後の医療の発展にも大きく寄与するものです。病理解剖は病理解剖資格を有する認定病理専門医が行います。御遺体より採取された各臓器を詳細に調べることにより、亡くなられた患者様の最後の状態を知ることが目的です。