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産科・婦人科
  婦人科診療

■子宮筋腫・子宮腺筋症
子宮筋腫は子宮に発生する良性平滑筋腫瘍です。子宮腺筋症は子宮内膜組織が子宮筋層内に侵入して発生する病態のことで子宮内膜症の類型です。両者ともに子宮が腫大する疾患です。
子宮筋腫は比較的頻度の高い疾患です。30歳以上の成熟女性の20〜30%に筋腫が存在すると推定されています。子宮筋腫・子宮腺筋症の症状は様々で、大きいものでは腹部に腫瘤として触れるようになり圧迫症状として腰痛、頻尿、便秘などになることがあります。出血に伴う症状としての月経痛、過多月経、月経延長などの生理異常、不正性器出血、貧血などが主な症状ですが自覚症状としては無症状のこともあります。診断は内診による診察、超音波・MRI・CTによる画像診断、細胞診・組織診などによって行います。
治療は年齢・症状の程度・筋腫の大きさ・挙児希望の有無などによって、対症療法、ホルモン療法、偽閉経療法、手術療法(筋腫核出術・子宮全摘術)などを選択しています。手術には膣式手術、腹腔鏡下手術、腹式手術の各方法があり、個々の症例に適した方法を選択して実施しています。

■子宮内膜症
正常の状態では子宮の内面にある内膜組織が正常な部位以外で増殖する原因不明の疾患です。比較的若年の婦人に多く発見されます。主な症状は月経時の下腹部痛、腰痛、排便痛、性交痛などで年齢とともに症状が悪化することが特徴で、この症状は子宮内膜症の人の約70%に見られます。不妊症を合併することも珍しくありません。
内診による診察、超音波・MRI・CTによる画像診断、血液検査、腹腔鏡などによって診断します。治療は薬物療法、手術療法(腹腔鏡下または開腹手術)を病状や適応によって選択して行っています。

■不妊症
妊娠を希望しているにもかかわらず、2年以上経過しても妊娠しない場合は不妊症の可能性があります。統計上、不妊の原因がない夫婦では6ヶ月以内に70%、1年以内に90%近く妊娠するとされています。
不妊症の原因は種々存在する可能性がありますが、WHO(1996)によると男性側に原因有り25%、両性に原因有り25%、女性側に原因有り40%、原因不明10%とされています。
当院では、卵巣機能の検査、子宮・卵管の異常の検査、精液の検査などを行っています。それらの結果により必要に応じて、ホルモン療法、排卵誘発、人工授精、体外受精などの治療を行っています。

■ホルモン補充療法(HRT; hormon replacement therapy)
中高年になると卵巣から分泌される女性ホルモン(主として卵胞ホルモン;エストロゲン)の量が低下し、そのことによって全身の諸臓器が影響を受け種々の特徴的な症状が発現するようになってきます。これがいわゆる更年期障害です。
また骨量の減少や高脂血症も生じやすくなりこれが後日の骨粗鬆症や虚血性心疾患の発生につながる可能性がでてきます。これらのことを予防・軽減・治療するために少量のホルモンを使用することをホルモン補充療法といいます。これからの高齢化社会ではこの治療を必要とする人は増えるであろうと予想されています。

■クラミジア感染症
クラミジア・トラコマティスという病原体が性器に感染することにとって発症します。最初はほどんど無症状ですが病原体が子宮、卵管やお腹の中に広がることによって下腹部痛や性交時痛が生じます。感染が卵管やお腹の中に広がると不妊症の原因になったりする事もあります。大部分のクラミジア感染症は内服薬で治療できますがセックスパートナーも同時に治療する必要があります。

■子宮脱・子宮下垂
妊娠・出産に必要な臓器である子宮は加齢に伴って正常な位置から下垂してくることがあります。このようなときに子宮の下垂感だけでなく、いろいろな排尿の異常(咳、くしゃみなどで尿が漏れる尿失禁、尿が出にくい排尿困難など)が起こります。
診察によって異常の程度を判定し、会陰体操や薬剤による治療を行い、手術が必要な場合は膣式手術を行っています。

>>金沢医療センター 悪性腫瘍治療成績 (1994〜1998)
>>腹腔鏡下手術について