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■歯科口腔外科とは?
「歯科口腔外科」は医療法施行令にて規定されている標榜科名の中のひとつです。これは、歯科口腔外科が顎口腔機能と密接に関わっていることに起因すると考えられます。そして、その診療領域の対象は、原則として口唇、頬粘膜、上下歯槽、硬口蓋、舌前2/3、口腔底に、軟口蓋、顎骨(顎関節を含む)、唾液腺(耳下腺を除く)を加える部位として申し合わされています。しかし、耳鼻咽喉科、形成外科、外科、脳神経外科の医師が診療にあたり、各科と歯科口腔外科の診療範囲で問題となることが生じていることも事実です。
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この問題解決には、当然ながら前述の申し合わせを順守することが必要であることは当然であり、それと同時に、医科に対抗できる学識も必要となると考えられます。各診療科とのチーム医療体制の構築し、一病院での完結型診療を目指すのであれば、う蝕や歯周病を含めた口腔顎顔面領域の疾患を知ることのみならず、全身疾患との関連性を含めて学識を高めなければならないでしょう。そのためには、例え口腔外科医(顎口腔領域の外科処置を専門とする歯科医師)といえども、う蝕一本をもないがしろにせず、ひとりひとりの患者さまを大切にし、治療に携わることが最も重要となります。
■歯科口腔外科で扱う疾患は?
埋伏歯・埋伏智歯
(まいふくし・まいふくちし) |
歯がはえてこない |
炎症
(えんしょう) |
歯が痛く、顔は腫れてきた。 |
顎関節症
(がくかんせつしょう) |
口が開かない。
食事中あごが痛い。 |
外傷
(がいしょう) |
歯が折れた。
歯が抜けた。
かみ合わせがずれた。 |
嚢胞・良性腫瘍
(のうほう・りょうせいしゅよう) |
レントゲンで、袋があると言われた。
顔が腫れてきた。 |
口腔粘膜疾患
(こうくうねんまくしっかん) |
お口の中が赤い。
お口の中が白い。 |
悪性腫瘍
(あくせいしゅよう) |
お口の中にできものができた。
食事中、味の濃い物がしみる。 |
顎変形症
(がくへんけいしょう) |
かみ合わせが悪い。
上下の歯がかみ合わない。 |
先天奇形
(せんてんきけい) |
口唇口蓋裂 |
■当科の紹介
金沢市を中心とした歯科二次医療機関として、また、顎口腔疾患を治療する歯科口腔外科として、う蝕や歯周病などの歯科治療は原則として入院患者のみという体制をとっています。また、総合病院であることから高齢者および全身的合併症を有する口腔領域疾患の治療を依頼され紹介されることが多く、歯科開業医のみならず院外他科からも紹介され地域医療に貢献しています。院外医療機関との連携を積極的にすすめ、親知らず(智歯)等の抜歯、良性疾患の摘出等の外来小手術、粘膜疾患、顎関節症、口腔乾燥症等、口腔領域に関わる疾患の診断および治療を主として行い、当科の入院としては、顎骨骨折の手術、顎口腔領域の良性腫瘍や悪性腫瘍、および歯が原因での化膿性疾患(歯性感染症)の治療も行っています。尚、当科では人工歯根(歯科インプラント)による治療の相談も受け付けています。
当科では顎口腔内領域を中心とした口腔外科疾患を治療しています。口の中やその周囲の症状があれば、なんでもご相談ください。外来患者さんのう蝕や歯周病に関しては、お近くの歯科医院で治療を行っていただくことをお勧めしています。歯科疾患は不可逆的疾患であり、長期的に診察・治療にあたるかかりつけ歯科医を持つことが大切だと考えられるからです。当科では、地域の歯科診療所では対応の難しい患者さんを対象として、積極的に診療行っていますが、かかりつけ医からの紹介やかかりつけ医と共同で当院の開放病床を利用した歯科治療を行うこともあります。また、原則として紹介状の有無にかかわらず、初診当日には、抜歯等の観血的処置は行っておりません。