初期研修
 
■理念・基本方針/■役割・機能の範囲
■研修計画/■研修指導体制と研修参加施設
■管理運営体制

理念・基本方針
臨床研修の理念・基本方針

初期臨床研修の基本理念

医師としての人格を養い、将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的要望を認識し、日常診療で頻繁に
遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、プライマリ・ケアの基本的な知識・技能および態度を身につける。


初期臨床研修の基本方針<一般目標>

①医師としての基本的価値観(プロフェッショナリズム)の涵養
②医学・医療における倫理性の理解と獲得
③医学知識と問題対応能力の涵養
④診療技能の向上と患者ケアへの実践
⑤コミュニケーション能力の向上
⑥チーム医療の実践
⑦医療の質を知り安全管理への配慮
⑧地域社会や国際社会における医療の実践
将来のEBM作りにも貢献出来るような科学的探究
⑩生涯にわたって共に学ぶ姿勢



役割・機能の範囲

当院の特徴

1. 当院は、独立行政法人国立病院機構「高度総合医療施設」として位置づけられており、「がん、循環器、精神、成育、腎、内分泌・代謝、感覚器、肝、長寿医療、エイズ、災害医療」の11分野において国立病院ネットワークを介した政策医療を担っている。循環器、がんおよび成育に関しては、院内に「血管病センター」、「がん総合診療部」、「成育医療部」を構築して総合的な診療方式をとっている。一方「血管疾患」をテーマとした臨床研究部を有しており、診療、臨床研究の両面で実績を残している。

2. 地域医療の点からは、北陸の基幹病院としての役割を担っており、地域医療連携室を設置して地域密着型医療を進めると共に、救急医療の分野でも地域医療に高く貢献している。とくに小児科に二交替勤務制を導入して夜間小児救急医療を充実し、地域医療に大きく貢献している。平成23年4月には地域周産期母子医療センターに認定されている。

3. 図書室の充実に加えて、オンライン契約が多数有り、文献検索、情報収集などに利用でき、教育環境が整っている。また、Procedures Consultとの契約により各種臨床手技も動画で勉強することができる。

4. 平成12年4月日本医療機能評価機構による施設認定を受けており、令和2年1月に施設認定の更新を行っている。

5. 平成18年10月開放病床制度(20床)を導入。平成19年1月地域がん診療連携拠点病院指定を受ける。また日本がん治療認定医機構認定研修施設にも認定されている。

6. 平成20年4月、地域医療支援病院の名称使用が承認された。いしかわ診療情報共有ネットワーク(IDリンク)に加入しており地域の医療機関との診療情報の共有が可能となっている。


各診療科の特徴、得意領域
循環器内科 冠動脈インターベーションおよびカテーテルアブレーションによる不整脈治療
血液内科 無菌室を用いた幹細胞輸血による血液疾患治療
腎・膠原病内科 重症透析患者に対する専門病院
消化器内科 肝炎治療ならびに内視鏡的検査治療
呼吸器内科 超音波気管支内視鏡による肺がん及び横隔腫瘍の早期診断
内分泌・代謝内科 糖尿病に対する集学的治療
脳神経内科(血管内科) 認知症および頭痛外来(鑑別診断と治療)
外科(消化器外科) 消化器がんに対する集学的治療
呼吸器外科 肺がんに対する集学的治療と胸腔鏡手術
心臓血管外科 下肢動脈閉塞症下肢静脈瘤の外科的手術、多汗症に対するETS(内視鏡的胸部交感神経焼灼術)、冠動脈バイパス手術
整形外科 スポーツ外傷専門医
脳神経外科 パーキンソン病などの機能的脳神経外科手術、ナビゲーターを用いた頭蓋底腫瘍手術、脳血管インターベンション治療
産婦人科 母体搬送分娩、婦人科疾患に対する低侵襲性内視鏡手術
耳鼻咽喉科 めまいの診断および治療、鼻内視鏡的手術
歯科口腔外科 形成的口腔癌手術、顔面外傷手術
精神科 身体合併症のある精神病患者受け入れ、うつ病患者に対する治療に力を入れている。
皮膚科 乾癬アトピー性皮膚炎の専門的治療
泌尿器科 前立腺がんに対する小線源治療
放射線科 全身固形癌に対する放射線治療、肝癌に対する血管内インターベンション治療、マンモグラフィーによる乳腺診断学、核医学的診断学
小児科 小児腎臓・膠原病、小児循環器病、小児内分泌・代謝病の専門外来
 



研修計画
金沢医療センター初期臨床研修プログラム

本プログラムは将来プライマリ・ケアに対処しうる第一線の臨床医、あるいは高度の専門医のいずれを目指すにも必要な診療に関する基本的な知識・技能および態度を習得するための2年間のプログラムである。
金沢医療センター初期臨床研修プログラム


期間割と研修医配置予定

1.研修期間 4月1日から2年間

2.期間割
 ・各研修ブロックでは、各月の1日を起点とし、4週もしくは4週以上の研修を行う。
 ・必須診療科:内科、外科、必須選択外科、小児科、産科・婦人科、精神科、救急、地域医療、一般外来を必須とする。
 ・選択診療科:上記以外のすべての診療科を、選択科とする。
 ・コメディカル部門(薬剤部、放射線部、検査部、歯科口腔外科外来)の研修も必須とするが、並行研修で行い、0.5日×4部門(年間あたり)以上であれば期間は問わない。歯科口腔外科外来は、デンタルケアの研修を行う。
(一年次および二年次前期(4~9月))
 必須科目である内科24週以上、救急12週以上、外科、必須選択外科、小児科、産科・婦人科、精神科、一般外来について各4週以上の研修を行う。
(二年次)
 上記の一年次にて研修できなかった必須研修を継続して行ってゆく。地域医療研修は、二年次で行う事を原則とする。


◎基本コース:1年次

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
内科(24週以上)
外科、必須選択外科、小児科、産科・婦人科、精神科、一般外来(各4週以上)
救急(選択科である麻酔科も含めて可)(12週以上)
コメディカル部門研修(0.5日×4部門以上)


◎基本コース:2年次

4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3
必須科(1年次に研修できなかった必須科)(9月までに終了)
地域医療(在宅医療も含む)(4週以上)
コメディカル部門研修(0.5日×4部門以上)
協力型病院(1診療科4週以上8週まで)・協力施設(8週まで)


研修目標と研修内容

臨床研修の必修化に伴って提示された「臨床研修の到達目標」を基盤として作成した臨床研修カリキュラムに従った臨床研修を通してプライマリ・ケアの基本を修得すると共に、その後の進路を的確に判断する能力を身につける。


教育に関する行事

1. オリエンテーション:研修最初の1週間に院内規程、施設設備の概要と利用法、電子カルテ操作説明、文献と病歴の検索方法、医事法規などについて学ぶ。

2. 研修医が属している各科の回診、カンファレンス、抄読会に出席し、発表、報告する。

3. 病院全体の講習会、セミナー、CPCなどに出席する。
院内開催公開検討会
CPC:隔月開催 随時開催
臨床研究部・血管病センター合同症例検討会:隔月開催
がん診療部症例検討会(ISARC):月2回開催

4. 金沢地区の他施設の研修医との合同学習会
年3回開催(うち1回は当院主催)※開催時期は不定期

5. 毎月1回開催する研修医集会に出席する。


指導医体制

研修医1名につき指導医1名が指導にあたる。必要に応じて専門医の指導を受ける。
新たにメンター制を導入し、指導医とは別にメンター、メンティの関係を構築し、より良い研修生活を目指します。



プログラム終了後のコース
 
当院後期研修(専門医)コース(3年~5年)へ進むことができる。
常勤医師として採用や大学医局への入局も可能。


研修指導体制と研修参加施設
臨床研修教育責任者

阪上 学(金沢医療センター院長、臨床研修管理委員会委員長)


プログラム責任者

太田 和秀(金沢医療センター教育研修部長)


研修施設・協力施設とその概要

〇研修施設
 独立行政法人国立病院機構 金沢医療センター

〇協力型病院
 1.金沢大学附属病院
 2.金沢医科大学病院
 3.石川県立中央病院
 4.独立行政法人国立病院機構 北陸病院
 5.独立行政法人国立病院機構 医王病院

〇協力施設(Ⅰ)
 独立行政法人国立病院機構 七尾病院
 独立行政法人国立病院機構 石川病院
 独立行政法人国立病院機構 富山病院

〇協力施設(Ⅱ)
 市立輪島病院
 珠洲市総合病院
 公立穴水総合病院
 公立宇出津総合病院
 公立つるぎ病院

〇協力施設(Ⅲ)
 金沢市保健所および金沢市福祉健康センター

保健所事業(感染症対策、食品衛生業務、環境衛生業務など)、福祉健康センター業務(健康増進対策、介護保険関係業務、精神保健福祉対策など)をはじめとした地域保健・福祉に関する研修を分担する。研修期間は2週間とする。


プログラムに参加する診療科
 
独立行政法人国立病院機構 金沢医療センターの全診療科および病理診断


管理運営体制
プログラム責任者を長とする研修医集会ならびに指導医集会を設けてプログラムに対する研修医・指導医の意見を臨床研修委員会に的確に反映させることにより、発展的なプログラムの運用を図る。
各診療科には大学教官歴を有する部長・医長をはじめとして、豊富な臨床経験を有する指導医が多数勤務している。その大半はすでに医学教育指導技法に関する「医師の臨床研修に係る指導医講習会」は受講済みで、指導医資格を有している。

臨床研修委員会を毎月開催し、研修計画の進行状況を検討する。また研修医集会、指導医集会を通じて研修医、指導医の意見を臨床研修委員会に反映させる。年3回開催される臨床研修管理委員会において、その年度の研修および指導内容を評価し、それに基づいて次年度の研修計画を立て、これを公表する。



研修評価

1) 研修内容のチェック:研修医は、研修医チェックシートを用いて研修の進行状況をチェックする。

2) 研修医に対する評価:研修医は、各科ローテート終了時に研修医用評価表に沿って自己評価を行う。一方、各指導医は研修終了時に指導医用評価表により評価を行う。2年間のプログラム終了時には臨床研修管理委員会が研修目標達成を認定する。

3) 指導医に対する評価:研修医は、各科ローテート終了時に指導医評価表に記入してプログラム責任者に提出する。


プログラム終了の認定

各研修医から到達目標が達成されたことを自己申告されたプログラム責任者はこれを確認し、臨床研修管理委員会に報告する。承認が得られた研修医に対して、院長(臨床研修教育責任者)は、このプログラムを終了したことを記した「修了証書」を授与する。



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