わが国の口腔癌罹患数は、全癌の約1%と推定されていますが、人口の高齢化に伴ってその罹患数も増加しつつあります。
当科では、金沢市を中心とした二次医療機関として、口腔がんの治療にあたっています。当科においる口腔がんの治療は、口腔癌診療ガイドライン2019年度版(口腔腫瘍学会、日本口腔外科学会編)に基づき施行しているものの、ひとりひとりの患者さんに最適と考えられる治療法を患者さんと共に作り上げています。例えば、手術を望まない方には、抗がん剤と放射線を組み合わせた治療法を提供することもあります。
2012年度から2021年度に当科を受診された頭頸部悪性腫瘍85例中、当科で治療した口腔扁平上皮癌注1)症例は59例となっています。その中で、初期治療時に手術を望まれなかった方は23例で、最終的に手術を行うことなく放射線療法のみで経過観察されている方は16例となっております。
注1)口腔悪性腫瘍の90%以上は扁平上皮癌と言われています。
当科を受診した頭頸部悪性腫瘍症例と口腔扁平上皮癌加療症例
|
2017年度 |
2018年度 |
2019年度 |
2020年度 |
2021年度 |
頭頸部悪性腫瘍 |
5 |
10 |
11 |
8 |
7 |
口腔扁平上皮癌 |
5 |
9 |
8 |
5 |
7 |