カテーテルという細い管を血管に入れて、X線撮影では見えない血管を造影剤という薬品を使用して撮影し画像にします。この装置を利用して心筋梗塞や不整脈の治療、脳出血や脳動脈瘤の治療、血管形成術など様々な治療が行われています。
当院では緊急検査にも迅速に対応出来るように2台の血管撮影装置が稼働しています。令和4年3月以降検査による放射線被ばくを更に抑えた検査、治療が行えると期待しています。
ハイブリッド血管撮影室とは
ハイブリッド血管撮影室とは部屋の環境(清潔度、照明、手術台など)と治療に必要な撮影装置が合体した最新鋭のカテーテル血管撮影室です。ハイブリッド血管撮影室では高精細なX線撮影を行い直ちに高画質な3次元画像を作成し観察することができます。またCTライク画像が取得できこれにより先進的な手技を迅速かつ安全に実施することが可能となります。
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ハイブリット血管撮影室での検査風景 |
ハイブリット血管撮影室 |
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操作室 |
循環器専用血管撮影室 |
■心臓血管撮影
以前は映画と同じ35ミリフィルムで撮影していましたが、現在はデジタル化され、心臓の血管の流れを鮮明に記録します。また循環器動画像ネットワークシステムにより、血管撮影室以外でも画像を参照することができます。
上記は心臓が鼓動するための栄養や酸素をおくる大切な血管です。
DSA (デジタルサブトラクションアンギオグラフィー)
コンピュータで造影剤の注入前後の画像を処理することにより、細い血管の画像をはっきりと見やすくします。 コンピュータ処理された画像はリアルタイムでモニターされます。
上のほうには右腎動脈が見えます。
左腎動脈は閉塞しています。腹部大動脈は途中で2本に分かれて左右の大腿に流れていきます。
▲腹部大動脈のDSAイメージ
■3D(立体)アンギオグラフィー
X線装置を回転させることなどにより、多方向から収集された画像データをもとに血管の立体画像をコンピュータで構成します。コンピュータの高性能化にともない速く、診断し易く表示できるようになり、複雑に交差する血管の構造が直感的に把握できるようになりました。
左総頚動脈の血管の様子がわかります。実際にはX線管球が回転して撮影しています。
このような検査は、医師・看護師・放射線技師・臨床工学技士などが チームとなって、はじめて成し得るのです。