初日は、壁を作ってしまい、うまくコミュニケーションがとれなかったのですが、日が経つにつれ打ち解け、世間話や趣味について語り合ったりできるようになりました。患者さんも、話しやすいと言ってくださり、とてもうれしかったです。一度、排泄援助で失敗したのですが、その後も毎日私に排泄援助をさせて下さり、最終日には「上手くなったね」と言われ、うれしすぎて陰で泣いてしまいました。実習は大変なこともありましたが、喜びの方が多かったと思います。
受け持たせてもらった患者さんは認知症があり、朝あいさつに行って「朝ごはん食べましたか」と聞くと「さぁ食べたかな」と言われることがほとんどだった。実習前に認知症の人の理解とケアのための本を読み、「この人は誰?」といった質問は本人を辛く感じさせてしまうため、聞かないようにしていた。3週間目の最終日の最後のあいさつで、思い切って「私のこと覚えていますか」と尋ねてみた。すると「根岸さんでしょう?もう3週間たったのか。勉強になったか?」と言ってくださった。聞いたことに関して申し訳なかったと思うが、うれしかった。
実習最終日、私の誕生日であったが、今までの誕生日の中で一番感動した。患者さんが「私、あんたの誕生日一生忘れんからね」とおっしゃってくれただけでなく、歌を歌ってくれたり、握手も交わした。私は大変うれしかったし、感極まって涙を流した。この先、辛いこともたくさんあると思う。患者さんが私にくださった言葉をこれからの励みにして前に進んでいきたい。私が援助で失敗しても寛容に許していただき、最後にはこのように言葉をかけていただき、大変心に残った。
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