血液のトリビア |
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血液疾患に関してのちょっとした豆知識を紹介 |
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■第5回 血の気が多くなることも…
今まで、貧血については書きましたが、その逆で「血の気が多くなる病気」ってあるのだろうか?と思われている方も多いかもしれません(いなかったりして…)。実はそのような病気があります。「赤血球増加症」という病気がそれです。以前は多血症と呼ばれていたもので、赤血球が過剰に作られる病気です。原因として以下のものがあります。
1.相対的赤血球増加症
循環血液量が正常にも関わらず相対的に赤血球数が増加している状態。下痢、嘔吐、やけど、過剰発汗などによって循環血漿量が減少し見かけ上の赤血球が多くなっているようになる状態。
その他ストレス性赤血球増加症というものもあり、脱水などの明らかな原因がないにも関わらず、赤血球が増加しているものもあります。要因には喫煙やアルコールの摂取があるようです。また高血圧、高脂血症、高尿酸血症などを合併する傾向があるようです。
2. 絶対的赤血球増加症
a.真性赤血球増加症(真性多血症):赤血球産生が正常の制御を受けず赤血球が増加していく原因不明の病気で、骨髄増殖性疾患に含まれます。
b.続発性赤血球増加症:慢性の肺の病気は高地に住むことで酸素が不足気味になっている人や、造血ホルモンであるエリスロポエチン産生する腫瘍などに続発して見られものです。
絶対的赤血球増加症方では、赤血球が増加することで、頭痛、めまい、ほてり、のぼせ感などが見られます。また血液の粘稠度が高くなり(= いわゆる「ドロドロ血液に」)、血管が詰まりやすくなることで、脳梗塞や心筋梗塞などの危険性が高くなります。
皆さまの中で「採血検査で赤血球が多いと言われた」「最近周りの人から顔が赤いと言われるようになった」という人がおられましたら、血液専門の医師の診察を受けた方がよろしいと思います。もちろんこのYoppyの外来に来てもらえるならwelcomeですよ!
以上 Yoppyでした。