扱う主な疾患 |
■関節外科疾患 |
1) 変形性膝関節症
関節軟骨が磨耗、破壊され、疼痛や可動域制限を来たす退行性の疾患です。変形性関節症の中では最も頻度が高く、中年以降の肥った女性に多く見られます。初期症状としては、立ち上がり時や歩行開始時に痛みを感じ、ひどくなってくると関節に水が溜まったりします。関節注射や装具、運動療法などで治療を行いますが、変形や痛みが強い場合は人工関節などの手術が必要となります。
2) 変形性股関節症
股関節の関節軟骨が破壊されて生じる退行性の疾患です。我が国では、先天性股関節脱臼や臼蓋(股関節の屋根の部分)形成不全などを伴う二次性の股関節症が多いと言えます。軟骨の破壊が進行すると、疼痛のため歩行困難となり、また股関節の動きも悪くなることから日常生活に支障を来たします。疼痛が強い場合は外科的な治療法が必要となります。
3) 大腿骨頚部骨折
大腿骨の付け根の部分で折れる骨折であり、高齢者が転倒する際に発生します。骨粗鬆症を伴う高齢の女性に好発します。歩行不能となるため、保存的な治療では寝たきりになる可能性が高く、ほとんどの症例で手術が必要となります。
4) 変形性肘関節症
肘関節の軟骨が変性し、疼痛や可動域制限を来たす疾患です。野球などのスポーツや肘をよく動かす職業の人など、長期間の繰り返される機械的損傷で生じることが多いといえます。尺骨神経麻痺を合併することもあり、この場合は薬指と小指がしびれたり、指の細かい動作がしにくくなったりします。可動域制限が強かったり、神経麻痺を合併している場合は、手術的加療を考慮する必要があります。